温熱療法になぜ高価なトルマリン鉱石を使うのでしょうか? その理由についてお伝えします。治療現場で様々な物質による温熱効果を実験・検証した結果、トルマリン鉱石のみを使うことに至りました。確かなエビデンス(科学的根拠)は取れていないのですが、治療者視点で見るとトルマリンを使うことによる患者様へのメリットは温熱効果だけでなく、深いリラックス効果や筋弛緩、疼痛緩和などにあると確信しました。
トルマリンは地球上で唯一電気を発する鉱石として「電気石」と呼ばれています。その電流は人体に適している生体電流と同じ0.06ミリアンペアです。トルマリンホットパックはトルマリンの持つ様々な特性を最大限に活かした独特の温熱療法です。トルマリン鉱石の特性について見てみましょう。
トルマリンは「電気石」
トルマリンホットパックで使うトルマリン鉱石の正式名称は「電気石(でんきせき)」で、英語の学名は「Schorⅼ(ショール)」と言います。
*化学組成:NaFe3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
トルマリンの特性が発見された経緯
1880年、ノーベル物理学賞を受賞したピエール・キュリーはトルマリンの結晶に外部から熱や圧を加えると電荷が生じることを発見しました。熱を加えて生じる電荷を「ピロ電気(焦電子)」、圧を加えて生じる電荷を「ピエゾ電気(圧電気)」と命名されました。トルマリンは地球上の鉱物の中で唯一自ら電気を帯びる鉱石として「電気石」と呼ばれています。
微弱電流をもつトルマリン原石
1990年、研究者の久保田哲治郎氏によりトルマリン結晶の両端にプラス極とマイナス極が恒常的に発生し、両極間に電位差が生じることが検証されました。トルマリンの両極を誘電線で結ぶと微弱電流が流れ続けていることが証明されたのです。この微弱電流は生体電流と同じ0.06ミリアンペアで、人体に最も適している電流とされています。トルマリンの熱エネルギーは、赤外線放射率92.72%であり、遠赤外線の波長も人間の熱エネルギーと等しい4~14ミクロンです。
トルマリンが注目されたキッカケは医療費の削減
日本人として初めてブラジルの鉱山を開発した永井竜造氏がトルマリンの潜在力に着目しました。ブラジルの14鉱山のうち、トルマリンを産出する2つの鉱山だけ、そこで働く人の医療費が他の1/6、1/12であったことからトルマリンと健康の因果関係に気付き、科学的な測定と研究を始めたことでトルマリンが注目されるようになりました。
「エメラルドなどの鉱山の研究と開発を手がけていたころの話である。劣悪な環境の鉱山地帯で毎年おこなっていた医療費の節約コンテストの結果、なぜかトルマリン鉱山だけが他鉱山に比べて医療費が群を抜いて少なかったのである」
(ダイヤモンド社刊 永井竜造著「トルマリンが環境革命を起こす」より)
トルマリン特性を活かした温熱療法
トルマリンホットパックは、熱を加えると微弱電流を発するトルマリンの特性を最大限に活かすために、結晶を5mm大の粒子にして70~80℃の熱を加えて行なう独特の温熱療法です。他の物質や鉱石にはない独特の気持ちよさと温感があります。鉄が主成分となるブラックトルマリンは熱伝導率も高いため、患部の深い部分に熱を加えたり、逆に冷やしたりことにも適しています。
*参考資料「トルマリンデータファイル(アダン鉱山中央研究所)」
ダイヤモンド社刊 永井竜造著「トルマリンが環境革命を起こす」